
このページでは当院で毎月発行される院内新聞から脳や眼における予防医学などについてのコラムを掲載していきます。
日々の生活の中で忘れてしまいがちな正しい病気の予防や治療について、 もう一度考えてみませんか?

日本における慢性頭痛の有病率はおよそ40%と言われており,実に5人に2人は何らかの頭痛もちという結果になっております.そのうち,緊張性頭痛といわれる方は全体の約23%で4人に1人の割合になっております.また片頭痛の方は8.4%で,12人に1人という計算になります.一般的には片頭痛は血管の拡張による痛みであるため,必ず脈を打つ痛み方で,よくズキンズキン痛むと表現されます.一方緊張性頭痛は,締め付けられるとか,頭に何か載っている,ギューとした痛みと表現されます.痛みの程度は個人により差がありますが,一般的に片頭痛の方が痛みによる日常生活への影響は強く,一度頭痛が起きますと,何も行動できず,一般の市販薬も効果が無く,光や音を避けて布団の中でジッと痛みが引くのを我慢されている方が多いのです.一方緊張性頭痛は別名ストレス性の頭痛と言われており,様々なストレスの影響で頸部筋肉の緊張が原因です.そのストレスには代表的には眼のストレス,歯のストレス,精神的ストレスが上げられます.治療には一般的に筋弛緩剤や安定剤などが用いられますが,症状緩和のみであり,どのようなストレスが患者さんに降りかかっているのかを分析し,改善できるところを見出していかねば解決にはなりません.投薬によって症状緩和のみを追及してまいりますと,最終的にうつ状態にまで追いやられることがありますからご注意下さい.特に最近では,緊張性頭痛の患者さんが増加している傾向がありますが,その背景にはコンピュータや携帯電話などの電子端末の影響があります.つまり眼のストレスが増大している社会背景が原因です.最悪なケースは,ドライアイでコンタクトレンズを使われている会社員の方が,エアコンの効くオフィスの中で長時間コンピュータを使った作業を行う場合です.元々,ドライアイの方はコンタクトレンズの装着は禁忌ですが,その様な検査もせずに販売する業者が後を絶たないのが現状なのです.片頭痛の治療薬には現在,トリプタン製剤という非常に有効な薬が出てきております.もちろん症状緩和にのみ役立ちますが,日常生活に対する影響を最小限に食い止めることの出来る薬剤になり,使われる価値はあると思います.慢性副鼻腔炎などは両者の痛みに似た頭痛を起こします.当然治療法は抗生剤などを使い,片頭痛,緊張性頭痛と異なりますので,両者ともに頭蓋内に器質的な異常が無いことが前提です.副鼻腔炎が治ることで頭痛がなくなる方も結構いらっしゃいます.




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