晴れた空を見上げたり,白い壁を見たときに,眼の前に糸くずや虫がとんでいるように見えることを飛蚊症といいます.視線を動かすと一緒についてきて,まばたきしても消えません.
眼の中には硝子体といってゼリー状の透明な物質がつまっています.その中に濁りがあり,網膜(カメラでのフィルムの役割)にその影がうつり,それが飛蚊症として見えます.原因には生理的原因と病的な原因があります.病的な原因にはどんなものがあるでしょうか。@網膜裂孔::網膜に穴が開いた状態をいいます.A網膜剥離:裂孔から網膜の下に水分が流れ込んで硝子体側に浮いてしまう状態を言います.好発年齢は20代の近視が強い方と,50代で老化現象のひとつとして現れてくる場合があります.B硝子体出血:糖尿病や高血圧、外傷などが原因で出血を起こします.その血液が硝子体内に入ると,その影が飛蚊症として見えます.Cぶどう膜炎:細菌,ウイルス,アレルギー反応により炎症が起きることで硝子体に混濁がでてきます.
治療方法は,@裂孔の周囲をレーザー光線で焼き固める方法があります.通院で行えます.A裂孔から網膜剥離にすすんでしまうと入院による手術が必要になります.剥離した網膜は時間が経つと光を感知する機能が失われてきます.一度失われると再生はせず,後遺症が残ってしまうため,早く治療する必要があります.B出血が少なければ,自然に吸収されることもあります.状態によっては,出血部位にレーザー光線を照射する,重症の場合は,入院,手術が必要となることもあります.出血がおきた原因があれば,その治療をしていかないことには繰り返す可能性も高く,眼の症状から,糖尿病、高血圧が発見されることもしばしばです.C炎症を抑えるため内服,点眼で治療が必要になってきます.

飛蚊症は,その症状から病的なものかそうでないものかは判断できず、必ず
眼科医の診察を受け,病的でないと判断された方も,その症状に変化がおきたときは必ず眼底検査を受けましょう.