ご存知の方々も多いと思いますが、現在アメリカ合衆国では全ての小中学校内での炭酸飲料水の販売が禁止となりました。このことがニュースとしてテレビに出て約1ヶ月になりますが、皆さんはどのようにこのことをお捕らえになられましたのでしょうか。実は昨年の7月号の院内新聞(ちょっとした予防医学Vol.10)でも取り上げたものなのですが、米国では昨年5月にコネチカット州で、既に公立学校内での炭酸飲料水販売が禁止されました。販売できるものは、乳製品、ミネラルウォーター、100%ジュースなどに限定されました。当然、企業からの猛反発が出ましたが、それを押しのけてでも法律で縛る必要があったのです。 米国では日本のような保険制度ではありませんから、全てが自己責任、自己管理に委ねられております。最先端といわれる医療を受けられる人はお金に余裕がある人しか選ぶことができないため、アメリカの一般家庭では、子供が病気になると親の出費はとても負担になってしまうのです。そのため、家での食生活などを気にするようになっているのです。しかし、家庭で食材などに気をつけたとしても、学校内でそのようなものを売られてしまえば意味が無いと言うことで、アメリカのお母さんたちが動いた結果、法律での規制が可能となったとされているのです。肥満大国であるアメリカでは、自己管理が出来ない社員を簡単に見捨てます。また今回の報道は社会全体として子供たちに対し健全な体を作らせるという方向性を明確に表示しているのです。しかし、我々日本人の感覚では、あれだけ経済を重視する国でありながら、自国のシンボルとまで言われるコカコーラでさえ、学校内での販売禁止を明確にするなんて考えられないことではないでしょうか。でもアメリカはそのように変わってきているということを是非知っていただきたいと思います。ウォルトディズニーはマクドナルドと10年続いた提携を解除したのも、自社のイメージダウンを防ぐためと明言しているのは有名ですね。 ことの発端は1970年代に発表されたアメリカ合衆国上院議員のジョージマクガバンの発表した通称マクガバンレポートになります。詳細は、当院のホームページ内の「ちょっとした予防医学」の中に記載しておりますので、ご興味のある方はお読みになってください。莫大な医療費によって経済までも押しつぶされる状況に陥ったアメリカは根本から変わっていく必要に迫られてしまったのです。それは「病気になったら医者に行こう」では無く、国家として「病気にならないようにして行こう」なのです。日本では、保険でまかなわれますので、例えばMRIの検査を行ったとしても6000円くらいで済んでしまいますが、アメリカでMRI検査を行うと1回10万円くらいかかるとされているのです。これでは気楽に医療機関に行こうとは考えないのでは無いでしょうか。皆さんも、是非アメリカに住んでいたらとお考えになっていただき、予防医学とは何かを掴んでいただければと思います。