今年の日経メディカル3月号の特集に「東京の大病院に忍び寄る危機」という表題がありましたので、ご紹介させていただきます。「公的、企業立などの市中大病院が居並ぶ東京。「名門」と評されるこれらの病院が大学病院に患者を奪われたり、医師の引き揚げに遭い、そのブランドにかげりが見え始めた。関係者は危機感を強めている」 具体的には東京大学付属病院のことに触れております。国立大学法人化に伴い、東大病院は833億円もの借入金返済義務を負うことになりました。しかも、国からの運営交付金も毎年5億円程度減らされているという状況であります。大学病院は、数十年先を見据えた計画を持ち、最先端設備を備えるため、設備投資を展開していかなければなりません。今までは国立ということで、経営的なことは考えずとも、研究機関として最先端を模索していけば良かったわけですが、法人化に伴い東大病院では年間11億円もの増収が必要になりました。東大病院の永井院長先生も「結果として患者獲得のため市中病院と競争せざるを得ない。大学病院が主に診るべき患者は高度医療を必要とする患者、合併症を持つ難しい患者であるが高度な医療だけでは病院経営は成り立たない」と話されております。 大学に属している医師は大学病院に撤収させられ、医師の確保も難しい中、患者も集めるようになってきている国立大学の病院。その周りの病院は人員的にも、患者数的にも非常に厳しい状況になってきていることがお分かりになると思います。町田市、横浜市、その近隣でも廃業する病院が出てきており、また診療科目を減じたり、閉じてしまったりしているのが現状です。 若い医師は、忙しい専門領域を嫌い、楽に収入が得られる領域に集まっているのも現状であります。産婦人科、小児科の成り手が少ないことは皆さんよくご存知でしょうが、特に成り手が少ないのが脳神経外科医なのだそうです。 病院が閉院になり、かつ脳外科医も少なくなり、10年後には脳卒中を診れる病院がなくなるだろうと予測している専門家が多くおります。残念ながら脳卒中は減るどころか益々増え続けており、厚生労働省の予測でも、今から18年後の2025年には要介護者が178万人になるといわれております。恐らくその頃の日本の人口は1億人くらいでしょうから、その約200万人近い人々が要介護ということになるのです。これは国民の約2%に当たるのです。100人のうち、2人が要介護になる時代がもう目前ですが、いったい給与のどれくらいが介護保険料に使われるのでしょうか。