あかね台眼科脳神経外科クリニック
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コラム〜脳と眼の予防医学〜



■ NO.26
 宇宙飛行士の糖尿病 ■

 糖尿病の原因は何でしょうか。遺伝的素因、カロリー摂取が多すぎる、膵臓の働きが悪い、インシュリン(血糖を下げるホルモン)の効きが悪い、、、などなど言われておりますね。そのため、摂取カロリーの制限や運動療法などを取り入れ、インシュリンを無理やり放出させる薬や、糖分の吸収を抑える薬やインシュリンそのものを注射して血糖をコントロールしているのが現状だと思います。糖分の摂取(炭水化物)を控えていたりするのも現実だと思います。しかし、脳のエネルギーはブドウ糖ですから、糖分の摂取が足りなくなると、脳の基礎代謝は下がり、活動力が低下してしまい傾眠傾向を惹起すると言われております。活動量が下がればエネルギー消費量が少なくて済むわけですからね。
 脳のエネルギーはブドウ糖に依存しておりますが、脳で代謝されるブドウ糖は全体の20%位といわれております。残りはどこで代謝されるのでしょうか。身体の40%を占める筋肉が残りの糖のほとんどを代謝しているのですが、ご存知でしたか?
 子供たちの憧れの職業の中に「宇宙飛行士」がございます。無重力の中で生活をすると身体にどのような変化が出てくるのでしょうか。生理学的に、使わない機能は全て退化するというもの原則でありますので、重力に逆らう必要のない世界では骨はほとんど必要がなく、骨成分がどんどん低下し骨粗鬆症になってしまうことは、ほとんどの方はご存じだと思います。では筋肉はどうでしょうか。たとえば、1週間入院して寝たきりになるだけで、退院するためには筋肉トレーニングをしなければ歩行もままならなくなってしまうことは経験された方もいらっしゃると思います。宇宙ではこれ以上に筋肉使用量が減ってしまい、退化が進みます。無重力下では必死にトレーニングをしていても1日に筋肉量として1%下がると言われております。糖分の70%強を代謝する臓器である筋肉量が低下すると膵臓の機能やインシュリンの機能に全く問題のない方でも、糖代謝異常を来し糖尿病になってしまいます。したがって、宇宙滞在が長引けば、完璧に健康管理が行われている宇宙飛行士であっても糖尿病になってしまうという事実は理解できるのではないでしょうか。
 つまり、優れた利便性が私たちの日々の運動量を下げてしまい、知らず知らずのうちに筋肉量が減ってしまっているのです。そして筋肉量の減少は糖の消費能力を下げ、結果としてインシュリンの必要量が上がってしまうのです。そして、今最先端医療の科学では、インシュリン抵抗性が上昇することが、癌を含めて全ての生活習慣病の原因であることが分かってきております。したがって、予防医学の第一歩は、インシュリン抵抗性を下げること、つまり1に運動、2に食材が大切ですよ。


 
 
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